住所地特例について、◯か×で答えなさい
設問のとおり。
介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院)は、住所地特例対象施設に含まれる。
認知症対応共同生活介護(グループホーム)は、住所地特例対象施設に含まれない。
有料老人ホームなどの特定施設は、住所地特例対象施設に含まれる。
地域密着型介護老人福祉施設は、住所地特例対象施設に含まれない。
住所地特例が適用された場合、住所地特例対象施設が所在する市町村の一定の地域密着型(介護予防)サービスを利用することが可能(詳しくは、後述の「ポイント解説」を参照)。
住所地特例適用届は、住所変更前の市町村(保険者)に提出する。
設問の場合、住所地特例が適用されて、保険者はA市のまま。
この設問の場合、B市に住所変更した時点で、保険者はB市となる。そして、C市の介護保険施設に入所した際に住所地特例が適用されて、保険者はB市のまま。
ポイント解説
住所地特例の仕組み・意義
住所地特例とは、住所地特例対象施設に入所(入居)するために、その施設のある市町村に住所変更した場合、住所変更前の市町村がそのまま保険者になるというものです。
介護保険では、原則としては、住所地である市町村が保険者となります。しかし、この原則どおりだと、介護保険施設などが多くある市町村に被保険者が集中し、その市町村の給付費負担が増大して、市町村間の財政上の不均衡を招いてしまいます。これを防止するために設けられた例外的な仕組みが、住所地特例です。
住所地特例対象施設
これは、次のものです。
●介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院)
●特定施設(有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム)
●養護老人ホーム(措置による入所)
|
「入所措置がとられた者に限る」という規定が、養護老人ホームにのみに適用されるため
そして、同条において、養護老人ホームについて「老人福祉法の規定による入所措置がとられた者に限る」と規定されています。この規定は、有料老人ホームと軽費老人ホームには適用されず、養護老人ホームのみに適用されます。そのため、「特定施設」と「養護老人ホーム」が別になっています。
住所地特例のケース
A市の自宅 →[入所・住所変更]→ B市の介護保険施設
保険者はA市のまま |
A市の自宅 →[入所・住所変更]→ B市の介護保険施設 →[入所・住所変更]→ C市の介護保険施設
保険者はA市のまま |
A市の自宅 →[措置入所・住所変更]→ B市の養護老人ホーム →[入所・住所変更]→ C市の介護保険施設
保険者はA市のまま |
適用除外施設の住所地特例
適用除外施設のうちの一定のもの(以下のリンク先にある①、②、⑥、⑧)を退所し、他市町村にある住所地特例対象施設に入所(入居)した場合、適用除外施設に入所(入居)する前の市町村が保険者となります。
A市の自宅 →[入所・住所変更]→ B市の適用除外施設 →[入所・住所変更]→ C市の介護保険施設
保険者はA市のまま |
以前は、上記の例④のような場合、適用除外施設のある市町村(上記の例④ではB市)が保険者となっていました。しかし、これだと適用除外施設のある市町村の給付費負担が増大してしまいます。
そのため法改正がされて、現在は適用除外施設に入所(入居)する前の市町村(上記の例④ではA市)が保険者となります。
住所地特例適用被保険者のサービス利用
住所地特例が適用された被保険者(住所地特例適用被保険者)でも、住所地特例対象施設が所在する市町村の地域支援事業、介護予防支援、一定の地域密着型(介護予防)サービス※を利用することができます。
※一定の地域密着型(介護予防)サービス
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・夜間対応型訪問介護
・地域密着型通所介護
・(介護予防)認知症対応型通所介護
・(介護予防)小規模多機能型居宅介護
・看護小規模多機能型居宅介護
以前は、住所地特例適用被保険者は、住所地特例対象施設が所在する市町村の被保険者ではないということで、その市町村の地域支援事業、介護予防支援、地域密着型(介護予防)サービスは利用できませんでした。しかし、この状況は利用者にとって不便です。
そのため法改正がされて、現在は、上記のように利用できるようになっています。
住所地特例の手続き
住所地特例適用被保険者は、住所変更前の市町村(保険者)に対して次の手続きが必要です。
●転出して他の市町村の施設に入る場合……転出届、住所地特例適用届
●施設を退所して元の市町村の住所に戻る場合……転入届、住所地特例終了届
●施設を退所し、継続して別の施設に入る場合……住所地特例変更届
|