広域連合と一部事務組合はどう違うのですか?

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(2024ユーキャン速習レッスンP62、十訂基本テキスト上巻P90)

A 広域連合と一部事務組合の違いとは

 広域連合と一部事務組合は、基本的な部分は同じで、簡単に言うと「いくつかの市町村が集まって、共同で行政や事務処理を行う」というものです。こうすることで、市町村がそれぞれで実施するよりも効率的に運営できます。

 ただし、詳細は以下のように異なっています。

広域連合の方が、一部事務組合よりも権限が大きい

 広域連合と一部事務組合の設置・運営に関して法令で定められている内容としては、次のような違いがあります。

広域連合の設置の手続きにおいて、総務大臣が国の関係行政機関の長と協議する必要がある場合があります。これは、一部事務組合にはありません。
広域連合は、設置後、速やかに、議会の議決を経て「広域計画」を作成しなければならない、とされています。これは、一部事務組合にはありません。
規約に定める項目は、一部事務組合よりも、広域連合の方が多く・細かくなっています。

 つまり、極々簡単に言うと、一部事務組合よりも、広域連合の方が設置・運営のための条件が多くあり、その分より大きな権限(独自の行政運営ができる権限)が与えられる、ということです。

具体的な違い

 上記を踏まえて、違いをもう少し具体的に見てみます。
  

一部事務組合

 複数の市町村が行政サービスの一部を共同で行うことを目的として設置する組織です。
 たとえば、隣接する中・小規模な市町村が消防、ゴミ処理、火葬場、福祉、学校、公営競技の運営などを行うために設けることが多くあります。

広域連合

 こちらも、複数の市町村が行政サービスの一部を共同で行うことを目的として設置する組織です。対象となる内容は、消防、上下水道、ゴミ処理、福祉、学校、公営競技の運営など一部事務組合と同じですが、広域連合には次のような特色があります。

広域的な行政ニーズに柔軟かつ複合的に対応

 同一の事務を持ち寄って共同処理する一部事務組合に対して、広域連合は異なる事務を持ち寄って処理することができ、多角的な事務処理が可能となっています。

例)一般廃棄物に関する事務と産業廃棄物に関する事務を広域連合で実施し、広域的・総合的なゴミ処理行政を推進

広域的な調整をより実施しやすい仕組み

 広域連合は、広域計画を作成します。この広域計画には、広域連合の処理する事務ばかりでなく、これに関連する構成団体の事務についても盛り込むことができます。そして、その構成団体の事務の実施について、勧告することができます。

例)ゴミ処理施設の運営を行う広域連合の広域計画において、構成団体のゴミ収集方法やごみ減量対策などを記載し、これらの実施に関して構成団体に勧告することができる。

権限委譲の受け皿となることができる

 広域連合は、直接国または都道府県から権限や事務の委任を受けることができます。
 これにより、個々の市町村では実施困難でも、広域的な団体であれば実施可能な事務を、法律、政令または条例の定めるところにより、広域連合が直接処理することができます。

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