(2024ユーキャン速習レッスンP74、十訂基本テキスト上巻P109)
A 高額医療合算介護サービス費の給付額の計算の仕方とは
まず、介護保険を利用して、その利用者負担の1か月の額が一定額を超えた場合、超えた分が介護保険から「高額介護サービス費」として払い戻されます(償還払いで給付されます)。
これと同じような仕組みとして、医療保険には「高額療養費」があります。ですので、医療保険を利用して、その利用者負担(患者負担)の額が一定額を超えた場合、超えた分が医療保険から「高額療養費」として払い戻されます。
これら介護保険の高額介護サービス費と医療保険の高額療養費の適用を受け、その払い戻された金額を除いて考えて、介護保険と医療保険の利用者負担の1年間の合計が一定額を超えた場合、超えた分が払い戻されます。
このとき、介護保険から給付される分の名称が高額医療合算介護サービス費です。医療保険から給付される分の名称は「高額介護合算療養費」といいます。どちらからいくら給付されるかは、介護保険と医療保険の負担の割合に応じて決まります。
これについて、簡単な例をあげて考えてみます。
例)要介護者アさんは、介護保険の利用者負担の割合が1割、高額介護サービス費における1か月の上限額は24,600円です。そして、アさんは1か月に36万円分のサービスを利用しています。
この場合、アさん利用者負担の金額は1か月に36,000円です。これは、上限額24,600円を超えているので、超えた分の11,400円が高額介護サービス費として償還払いで給付されます。これによって、結果的にアさんが1か月に負担した金額は24,600円になります。
これが1年間(12か月)だと、24,600円×12か月=295,200円になります。
同じ考え方で、医療保険における1年間の利用者負担(患者負担)の額を算出します(前述のように、介護保険の高額介護サービス費と同じ仕組みとして、医療保険には高額療養費があります)。
このようにして算出した、介護保険での1年間の利用者負担の額(上記の例の295,200円)と、医療保険における1年間の利用者負担の額を合計します。これが「要介護者が1年間に支払った介護サービスの利用者負担額と、各医療保険における利用者負担額の合計額(高額介護サービス費、医療保険の高額療養費等が受けられる場合は、それらの適用を受けたうえでの額)」になります。
この額が一定の上限額を超えた場合に、超えた分が介護保険から高額医療合算介護サービス費として払い戻されます(医療保険からは「高額介護合算療養費」が払い戻されます)。