地域支援事業一覧

地域支援事業の役割、内容や対象者を簡単にまとめると、どのようになりますか?

 地域支援事業を簡単に言うと、被保険者が要介護・要支援状態になることを予防し、要介護・要支援状態となった場合でもできるかぎり地域で自立した生活を送れるように支援する事業です。  介護保険においては、要介護・要支援認定を受けた人に対して、訪問介護や訪問看護などのサービスが保険給付されます。  ただし、サービスを保険給付するだけでは不十分です。それとあわせて、地域の高齢者の心身機能が低下することを予防したり、地域の高齢者の状況を把握したり、地域のサービスが効率的に提供されるようネットワークを構築したり、サービスを提供する側である介護支援専門員をサポートしたりなど、地域社会を全体的に支援することも大切です。これを行うのが、地域支援事業になります。 <div class="information"> 介護保険制度が始まった当初は、保険給付はありましたが、地域支援事業はありませんでした。  その後、介護保険制度が運営されていくうちに、「介護が必要になる状態を予防し、地域で生活できるよう支援することが大切」という考え方が広まって、地域支援事業が創設されました。 </div> &nbsp; <h3>地域支援事業の内容と対象者のまとめ</h3>  地域支援事業には、介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)、包括的支援事業、任意事業の3つがあり、それぞれの内容と対象者をまとめると、次のようになります。 &nbsp; <h4>総合事業</h4> <span class="shikaku">■</span><span class="bold">介護予防・生活支援サービス事業</span>  心身機能の低下が一定以上の人に対して、介護サービスを提供する事業です。 <div> 対象となるのは、次の者です。</div> <div class="indentmaruno2"><span class="bold">①</span> 要支援者</div> <div class="indentmaruno2"><span class="bold">②</span> 基本チェックリストにより事業の対象者に該当した第1号被保険者(介護予防・生活支援サービス事業対象者)</div> <div class="indent">※基本チェックリストは、認定を受けていない第1号被保険者に対して実施されます。</div>  具体的な内容は、対象者に<span class="bold">訪問型サービス</span>や<span class="bold">通所型サービス</span>といった介護サービス、それと一緒に行う<span class="bold">生活支援サービス</span>(栄養改善のための配食、ボランティアによる見守りなど)を提供します。これらを計画的に実施するために、<span class="bold">介護予防ケアマネジメント</span>も実施します。 <span class="shikaku">■</span><span class="bold">一般介護予防事業</span>  地域における第1号被保険者の介護予防のために、地域を活性化するという事業です。  対象となるのは、<span class="bold">すべての第1号被保険者</span>(要介護・要支援認定を受けている第1号被保険者、認定を受けていない第1号被保険者、介護予防・生活支援サービス事業対象者である第1号被保険者も含む)です。  具体的な内容は、地域の状況の把握、介護予防についての普及・啓発、地域住民の育成・支援などです。 &nbsp; <h4>包括的支援事業</h4>  地域におけるさまざまな課題に対応するために、地域を活性化するという事業です(総合事業よりも、もっと広い範囲をカバーしていると言えます)。  対象となるのは、<span class="bold">第1号被保険者と第2号被保険者</span>です(要介護・要支援認定を受けている第1号・第2号被保険者、認定を受けていない第1号・第2号被保険者、介護予防・生活支援サービス事業対象者である第1号被保険者も含む)。  具体的な内容は、総合的な相談を受けたり、権利擁護を進めたり、地域の専門家によるネットワークをつくる、といったことです。 &nbsp; <h4>任意事業</h4>  総合事業と包括的支援事業に加えて、プラスアルファの内容として行うかどうか、という事業です。  対象者や内容はさまざまで、実施するかどうかは各市町村が判断します。

介護予防・生活支援サービス事業(第1号事業)の「第1号」は、どんな意味ですか?

介護保険法第115条の45第1項“第1号”で規定されていることから来ている  第1号事業の「第1号」は、第1号被保険者のことを示しているわけではありません。これは、介護保険法第115条の45第1項“第1号”で規定されていることから来ています。  このように名称をつけることによって、法令において、たとえば「第1号事業を行う者は…」「第1号事業を利用した場合は…」というように、示しやすくなっています。  このことは、訪問型サービス(第1号訪問事業)、通所型サービス(第1号通所事業)、生活支援サービス(第1号生活支援事業)、介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)についても同様です。  ちなみに、「第2号事業」というものはありません。

総合事業の介護予防ケアマネジメントと、包括的支援事業の介護予防ケアマネジメントは、どう違うのですか?

 対象者によって違ってきます。介護予防支援も含めて整理すると、次のようになります。 &nbsp; 介護予防支援 → 要支援者で総合事業と予防給付のサービスを利用する場合  要支援者で、総合事業だけでなく、介護予防訪問看護など予防給付のサービスも利用する場合は、介護予防支援を受けます。 &nbsp; 総合事業の介護予防ケアマネジメント → 要支援者で総合事業のみ利用する場合  要支援者で、予防給付のサービスを利用しないで、総合事業のみを利用する場合は、総合事業の介護予防ケアマネジメントを受けます。 &nbsp; 包括的支援事業の介護予防ケアマネジメント → 事業対象者  事業対象者は、包括的支援事業の介護予防ケアマネジメントを受けます。

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