認知症対応型共同生活介護の基準【一問一答 ケアマネ試験対策】

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認知症対応型共同生活介護の基準について、◯か×で答えなさい

Q1 認知症対応型共同生活介護事業所へは、やむを得ず居宅で生活が継続できない理由がある場合には、認知症でない者も入居が可能である。
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A ×
 入居申込者の入居に際しては、主治の医師の診断書等により、その入居申込者が認知症であることを確認しなければならない。
Q2 複数の共同生活住居がある事業所の場合は、共同生活住居ごとにそれぞれ夜勤職員を配置しなければならない。
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A ◯
 設問のとおり。
Q3 事業所ごとに、認知症対応型共同生活介護計画の作成を担当する計画作成担当者を置かなければならない。
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A ◯
 設問のとおり。
Q4 認知症対応型共同生活介護計画は、介護支援専門員でなくても作成できる。
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A ◯
 計画作成担当者のうち1人は介護支援専門員でなければならない。したがって、計画作成担当者を2人配置する場合、1人を介護支援専門員ではない者とし、その者が認知症対応型共同生活介護計画を作成することもできる。
Q5 管理者は、厚生労働大臣が定める研修を修了していなければならない。
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A ◯
 管理者は、3年以上認知症である者の介護に従事した経験を有し、厚生労働大臣が定める研修を修了した者でなければならない。
Q6 利用者の処遇上必要と認められる場合であっても、居室を二人部屋にすることはできない。
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A ×
 居室の定員は原則として1人とされている。ただし、利用者の処遇上必要と認められる場合は、2人とすることができる(夫婦で入居する場合など)。
Q7 認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)を利用する場合の認知症対応型共同生活介護計画は、居宅サービス計画に沿って作成されなければならない。
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A ×
 認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)を利用する場合、そもそも居宅サービス計画は作成されない。

関連Q&A
 居宅サービス計画に位置づける必要があるのは、居宅サービス・地域密着型サービスのうち、区分支給限度基準額が定められているサービスを現物給付で利用する場合です。  

区分支給限度基準額の定められているサービスを現物給付で利用する場合に居宅サービス計画を作成する

 居宅サービス計画を作成する大きな目的のひとつは、居宅の利用者が区分支給限度基準額の定められているサービスを組み合わせて現物給付で利用する際に、費用合計が上限を超えないよう管理することです。もし、区分支給限度基準額の定められているサービスを、計画しないまま現物給付で利用してしまうと、上限を超えてしまうことが容易に考えられるからです。つまり、区分支給限度基準額の定められているサービスを現物給付で利用する場合に、費用管理のために居宅サービス計画を作成して、そこに位置づける、ということです。 ※このことは、介護予防サービス計画でも同様です。  こうしたことから、区分支給限度基準額が設定されているサービスについては、居宅サービス計画・介護予防サービス計画に位置づけることが現物給付の要件のひとつとされています(2021ユーキャン速習レッスンP73、九訂基本テキスト上巻P102)。  

区分支給限度基準額が設定されていないサービスは、居宅サービス計画に位置づけなくてもよい

 上記のような居宅サービス計画の意義からして、区分支給限度基準額が設定されていないサービスについては、居宅サービス計画への位置づけは不要となります。具体的には、個別に支給限度基準額が設定されている特定福祉用具販売と住宅改修、支給限度基準額が設定されていないサービスです(2021ユーキャン速習レッスンP83・P84、九訂基本テキスト上巻P九訂基本テキスト上巻P98~P100)。
※区分支給限度基準額の定められているサービスを現物給付で利用して居宅サービス計画を作成していて、特定福祉用具販売も利用する場合は、特定福祉用具販売についても居宅サービス計画に記入します(2021ユーキャン速習レッスンP157、九訂基本テキスト上巻P331)。
 
関連Q&A
https://caremane.site/48
Q8 入退居に際しては、その年月日を利用者の被保険者証に記載しなければならない。
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A ◯
 入居に際しては入居の年月日と共同生活住居の名称を、退居に際しては退居の年月日を、利用者の被保険者証に記載しなければならない。

関連Q&A
 以下のサービスでは、被保険者証に入退所日(入退居日)を記入することとされています。
(介護予防)特定施設入居者生活介護
地域密着型特定施設入居者生活介護
(介護予防)認知症対応型共同生活介護
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
施設サービス(介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス、介護医療院サービス、介護療養施設サービス)
補足  上記のサービスは「利用者が、そこに住んで利用する」ということが共通しています。  介護保険においては、基本的に住所のある市町村が保険者になります。ただし、例外として、他の市町村にある施設等に入った場合に、前の市町村がそのまま保険者となる「住所地特例」があります。  この住所管理に役立てるために、上記の「利用者が、そこに住んで利用する」サービスについては、被保険者証に入退所日(入退居日)を記入するとされているようです。  上記以外のサービスは、持ち家やアパートなどの自宅に住んでいる利用者が利用するサービスであり、そのため上記のような住所管理は必要ない、ということになります。
Q9 非常災害に対する具体的な計画を、定期的に従業者に周知しなければならない。
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A ◯
 非常災害に関する計画を立て、関係機関への通報および連携体制を整備し、それらを定期的に従業者に周知するとともに、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行わなければならない。
Q10 食材料費、理美容代、おむつ代を利用者から受け取ることができる。
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A ◯
 設問のとおり。

定率の利用者負担とは別に、支払いを受けることができる費用
食材料費
理美容代
おむつ代
関連Q&A
 おむつ代が保険給付の対象になるサービスのうち、施設サービスと地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、そこに“居住”して利用するサービスです。短期入所サービスは“滞在”して利用するサービスです。ですので「利用者がそこに居住または滞在する」ということがポイントと言えます。
泊まる日数が短い場合は「宿泊」、ある程度長く泊まる場合は「滞在」と言います。そこに住む場合は「居住」になります。
関連Q&A
https://caremane.site/51
   居住して利用するサービスには、(介護予防)特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、(介護予防)認知症対応型共同生活介護もありますが、これらの事業所は介護保険において「居宅」とされています。
有料老人ホームなどの特定施設は、高齢者が自ら費用を負担して選択した居宅という扱いです。(介護予防)認知症対応型共同生活介護の事業所は、民家やアパートなどの住居であり、やはり居宅とされています。
   また、(介護予防)小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスは、短い日数を想定しています。  こうしたことから、おむつ代が保険給付されるのは、「居宅ではなくて、利用者がそこに居住または滞在して利用するサービス」というように言えます。 。
食材料費について
 他のサービスの運営基準では、利用者から別途支払いを受けることができる費用として「食費」が規定されています。「食費」は、食材料費+調理の手間の費用です。

 しかし、認知症対応型共同生活介護の運営基準では「食材料費」となっています。

 認知症対応型共同生活介護は、認知症高齢者が共同生活を営む住居(アパートや民家など)で提供されます。これは、介護保険では「居宅」という扱いです。
 そして、認知症対応型共同生活介護では、介護従業者が食事の材料を用意し、また介護従業者がサポートしながら、認知症高齢者が自分たちで調理をするということで、運営基準の「利用料等の受領」では「食材料費」になっている、ということです。


ポイント解説

認知症対応型共同生活介護の人員基準

介護従業者
夜間および深夜の時間帯以外の時間帯の介護従業者:共同生活住居ごとに、利用者3人またはその端数を増すごとに、常勤換算で1人以上。
夜間および深夜の時間帯の介護従業者:共同生活住居ごとに、時間帯を通じて1人以上、かつ夜間および深夜の勤務(宿直を除く)を行わせるために必要な数以上。
※介護従業者のうち1人以上は常勤でなければならない。
※夜勤職員は、原則として1つの共同生活住居に1人以上だが、3つの共同生活住居がある事業所では、すべて同一階に隣接するなど一定の要件を満たした場合は、例外的に2人以上とすることができる。
計画作成担当者
事業所ごとに、保健医療サービスまたは福祉サービスの利用計画の作成に関して知識および経験があり、認知症対応型共同生活介護計画を作成するのに適当と認められる者を、専従で1人以上。支障がなければ兼務可。
計画作成担当者は、厚生労働大臣が定める研修を修了している者でなければならない。
計画作成担当者が1人の場合は介護支援専門員を配置しなければならない。事業所に2人以上の計画作成担当者を配置する場合は、少なくとも1人は介護支援専門員を配置しなければならない。
介護支援専門員は、介護支援専門員でない他の計画作成担当者の業務を監督する。
介護支援専門員でない計画作成担当者は、認知症である者の介護サービスにかかる計画の作成に関し実務経験を有すると認められる者であること。
管理者 3年以上認知症である者の介護に従事した経験を有し、厚生労働大臣が定める研修を修了した者。常勤専従。支障がなければ兼務可。
代表者 事業所などで認知症ケアに従事した経験がある者、または保健医療サービス・福祉サービスの経営に携わった経験のある者で、厚生労働大臣が定める研修を修了している者。

※代表者、計画作成担当者以外は、共同生活住居ごとに配置。

関連Q&A
A 「端数を増すごとに」とは  たとえば、居宅介護支援の人員基準では、介護支援専門員について「利用者44人またはその端数を増すごとに1人を基準」とされています。  この場合の「端数」とは、44をひとつのまとまりと考えて、それより小さい数のことです。たとえば、45なら「端数」は1、90なら「端数」は2です。別の言い方をすると「44で割った余り」となります。  そして、利用者数が44人またはその端数を増すごとに、介護支援専門員の基準の人数は1人追加になります。ですので、次のようになります。 ・利用者数が44人まで……1人以上 ・利用者数が45人……2人以上 ・利用者数が89人……3人以上
A 「常勤加算」とは  まず、「常勤」と「常勤換算」は、次のようなものです。 常勤  事業所における勤務時間が、事業所で定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していること(週32時間を下回る場合は週32時間を基本とする) 常勤換算  事業所の従業者の勤務延時間数(担当者全員の合計時間)を、事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数(週32時間を下回る場合は週32時間を基本とする)で割って人数として換算する方法    以上を踏まえて、たとえば訪問看護ステーションの看護職員の「常勤換算で2.5人以上(うち1人は常勤)」について、簡単な例をあげて考えてみます。 例)事業所で定められている常勤の看護職員が勤務すべき時間数は、週32時間です。  そして、看護職員が3人いて、1人が週32時間勤務し、他の2人がそれぞれ週に30時間ずつ勤務しています。これを常勤換算の式に当てはめると次のようになります。 92(看護職員3人の合計勤務時間)÷32(常勤の看護職員が勤務すべき時間数)=2.875  この「2.875」は基準の「2.5人以上」を満たしており、1人が常勤(週32時間勤務)で「うち1人は常勤」も満たしているため、基準をクリアしていることになります。
 看護小規模多機能型居宅介護や小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護の人員基準では、管理者とは別に代表者が規定されています。
管理者 各事業所における責任者のこと。
代表者 その運営主体である法人の代表者であり、基本的には理事長や代表取締役が該当する。
 たとえば、A社が1丁目事業所と2丁目事業所を運営している場合、A社の代表取締役が「代表者」で、1丁目事業所と2丁目事業所にそれぞれ「管理者」がいる、というようになります。  なお、人員基準の解釈通知において、「たとえば、法人が1つの介護サービス事業所のみを運営している場合は、代表者と管理者が同一であることもあるものである」とされています。

認知症対応型共同生活介護の設備基準(主なもの)

事業所のユニット 1つの事業所が設けることのできる共同生活住居(ユニット)は、1つ~3つまで。
定員 共同生活住居(ユニット)ごとに5~9人。
居室・居間・食堂 個室が原則。ただし、利用者の処遇上必要と認められる場合は、2人とすることができる(夫婦で入居する場合など)。
居間および食堂は、同一の場所とすることができる(同一とする場合であっても、居間、食堂のそれぞれの機能が独立していることが望ましい)。
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