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財源の負担割合で、「総合事業以外」に第2号保険料が含まれないのはなぜですか?

<span class="qa">A</span> 「総合事業以外」は、主に第1号被保険者が対象になるため  まず、「総合事業以外」というのは、包括的支援事業と任意事業についての財源です。  そして、「総合事業以外」(包括的支援事業、任意事業)の財源には、2号保険料が含まれません。「総合事業以外」は、その内容からして、主に第1号被保険者が対象になる(第2号被保険者が利用することは想定しにくい)と言えます。そのため、財源に2号保険料が含まれないということです。  なお、「総合事業以外」では「2号保険料:27%」がない分、それを国13.5%、都道府県6.75%、市町村6.75%というように分けて(比率としては、2:1:1)、それぞれプラスして負担します。  ですので、国の負担は25%+13.5%=38.5%、都道府県の負担は12.5%+6.75%=19.25%、市町村の負担は12.5%+6.75%=19.25%になります。

財源の負担割合(%)は全部が同じではありませんが、どう覚えたらいいですか?

<h3>居宅給付費:この%を基本として考える</h3>  「居宅給付費」の負担割合は、国25%(調整交付金5%相当を含む)、都道府県12.5%、市町村12.5%、1号保険料平均23%、2号保険料27%です。これを基本として考えます。 &nbsp; <h3>施設等給付費:国の5%が都道府県に移っている</h3>  「施設等給付費」の負担割合は、国20%(調整交付金5%相当を含む)、都道府県17.5%、市町村12.5%、1号保険料平均23%、2号保険料27%です。  これを「居宅給付費」と比較してみると、国の負担割合が5%減って、都道府県の負担割合が5%増えていると言うことができます。つまり、5%が国から都道府県に移っているということです。 &nbsp; <h3>総合事業:居宅給付費(基本)と同じ</h3>  「総合事業」の負担割合は、国25%(調整交付金5%相当を含む)、都道府県12.5%、市町村12.5%、1号保険料平均23%、2号保険料27%です。これは、基本として考えた「居宅給付費」と同じです。 &nbsp; <h3>総合事業以外:2号保険料の27%がない分を、国:都道府県:市町村=2:1:1で分担している</h3>  「総合事業以外」の負担割合は、国25%+13.5%、都道府県12.5%+6.75%、市町村12.5%+6.75%、1号保険料23%、2号保険料は“なし”です。  これは、2号保険料の27%がない分を、国・都道府県・市町村が2:1:1という比率で分担しているということです。

財源の負担で、第1号保険料が23%、第2号保険料が27%なのは、どうしてですか?

<h3>1人当たりの平均的な保険料が同水準になるよう、人口比に応じて%を設定している</h3>  保険料の負担割合は、全国の第1号被保険者と第2号被保険者の人口比に応じて設定されています。こうすることで、1人当たりの平均的な保険料がほぼ同じ水準になるようになっています。  以下に簡単な例をあげて考えてみます。 例)日本の第1号被保険者が25人、第2号被保険者が25人、居宅給付費(上の表を参照)が100万円です。居宅給付費における保険料の負担割合は50%なので、第1号被保険者は25%、第2号被保険者も25%を負担することになります。  そして、第1号被保険者が25人で25%を負担するのですから、第1号被保険者1人当たり1%の負担となります。居給付費が100万円なので、つまり第1号被保険者1人当たり1万円の負担となります。同様に、第2号被保険者1人当たり1%で、1万円の負担となります。  では、上記の例において、日本の第1号被保険者が23人、第2号被保険者が27人の場合はどうでしょう。この場合、負担割合を第1号被保険者23%、第2号被保険者27%に設定すれば、1人当たり1万円の負担となります。  このように、第1号被保険者と第2号被保険者の人口比に応じて負担割合を変えて、1人当たりの負担額がほぼ同じ水準になるようにしています。

計画作成についての「一体のものとして作成」「整合性の確保」「調和が保たれたもの」はどう違うのですか?

<span class="qa">A</span> 「一体のものとして作成」「整合性の確保」「調和が保たれたもの」は関係性の強さが異なる <br> <h3>言葉の意味(ニュアンス)の違い</h3>  それぞれ次のようになります。 <div class="indent"><span class="maru">●</span><span class="bold">一体のものとして作成</span>……1つの計画として作成する、ということ。</div> <div class="indent"><span class="maru">●</span><span class="bold">整合性の確保</span>……別々の計画として作成されて、内容に整合性がある、ということ。</div> <div class="indent"><span class="maru">●</span><span class="bold">調和が保たれたもの……別々の計画として作成されるが、内容が調和している、ということ。</div>  ニュアンスとして、関係性が最も強いのは「一体のものとして作成」で、その次に関係性が強いのが「整合性の確保」で、その次が「調和が保たれたもの」になります。 &nbsp; <h3>覚え方</h3>  上記を踏まえて、以下の図を参照してみてください。その図では各計画が記載されていて、「一体のものとして作成」、「整合性の確保」、「調和をとる」によって、結びつく線の色と形を変えています。  「一体のものとして作成」は、「=(イコール)」をイメージした、赤線(目立つ色)になっています。そして「整合性の確保」は、(赤の次に目立つ)黒の太い実線になっています。「調和が保たれたもの」は、その中では目立たない点線になっています。  また、覚える際には、「関係性の強さの順番」を意識して、メリハリをつける良いでしょう。たとえば、まず「老人福祉計画と一体のものとして作成」と(2)の「市町村計画、都道府県計画、医療計画との整合性の確保」を覚えて、残りは「調和が保たれたもの」というようになります。 <div class="indent2"><span class="shikaku">■</span><span class="bold">市町村介護保険事業計画と他の計画との関係</span></div> <table class="onecell"> <tr> <td> <div class="indent2"><span class="shikaku">■</span>市町村介護保険事業計画</div>  <span class="red">┃┃</span> <span class="bold">一体のものとして作成</span>  <span class="red">┃┃</span> <div class="indent3"><span class="maru">●</span>市町村老人福祉計画(老人福祉法)</div> </td> </tr> </table> <table class="onecell"> <tr> <td> <div class="indent2"><span class="shikaku">■</span>市町村介護保険事業計画</div>  ┃ <span class="bold">整合性の確保</span>  ┃ <div class="indent3"><span class="maru">●</span>市町村計画(医療介護総合確保法)</div> </td> </tr> </table> <table class="onecell"> <tr> <td> <div class="indent2"><span class="shikaku">■</span>市町村介護保険事業計画</div>  : <span class="bold">調和が保たれたもの</span>  : <div class="indent3"><span class="maru">●</span>市町村地域福祉計画(社会福祉法)</div> <div class="indent"><span class="maru">●</span>市町村高齢者居住安定確保計画(高齢者居住安定法)</div> <div class="indent"><span class="maru">●</span>その他の法律の規定による要介護者等の保健・医療・福祉・居住に関する計画</div> </td> </tr> </table> &nbsp; <div class="indent2"><span class="shikaku">■</span><span class="bold">都道府県介護保険事業支援計画と他の計画との関係</span></div> <table class="onecell"> <tr> <td> <div class="indent2"><span class="shikaku">■</span>都道府県介護保険事業支援計画</div>  <span class="red">┃┃</span> <span class="bold">一体のものとして作成</span>  <span class="red">┃┃</span> <div class="indent3"><span class="maru">●</span>都道府県老人福祉計画(老人福祉法)</div> </td> </tr> </table> <table class="onecell"> <tr> <td> <div class="indent2"><span class="shikaku">■</span>都道府県介護保険事業支援計画</div>  ┃ <span class="bold">整合性の確保</span>  ┃ <div class="indent3"><span class="maru">●</span>都道府県計画(医療介護総合確保法)</div> <div class="indent"><span class="maru">●</span>医療計画(医療法)</div> </td> </tr> </table> <table class="onecell"> <tr> <td> <div class="indent2"><span class="shikaku">■</span>都道府県介護保険事業支援計画</div>  : <span class="bold">調和が保たれたもの</span>  : <div class="indent3"><span class="maru">●</span>都道府県地域福祉計画(社会福祉法)</div> <div class="indent"><span class="maru">●</span>都道府県高齢者居住安定確保計画(高齢者居住安定法)</div> <div class="indent"><span class="maru">●</span>その他の法律の規定による要介護者等の保健・医療・福祉・居住に関する計画</div> </td> </tr> </table>

都道府県介護保険事業支援計画の「定めるべき事項」にも、市町村長が指定する地域密着型特定施設入居者生活介護と地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護があるのはなぜですか?

 地域密着型特定施設入居者生活介護を行うのは、定員29人以下の介護専用型特定施設で、指定するのは市町村長です(2022ユーキャン速習レッスンP405、九訂基本テキスト上巻P88)。 定員30人以上になると、特定施設入居者生活介護となり、指定するのは都道府県知事になります(2022ユーキャン速習レッスンP373、九訂基本テキスト上巻P88)。  つまり、介護専用型特定施設は定員が29人以下か30人以上かによって、地域密着型かそうでないかが分かれるということです。このように、これらは密接に関係しているため、どちらの計画においても地域密着型特定施設入居者生活介護があげられている、ということのようです。 &nbsp; <h3>地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、定員29人以下の特別養護老人ホーム</h3>  地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護についても同様です。このサービスを行うのは、定員29人以下の特別養護老人ホームで、指定するのは市町村長です(2022ユーキャン速習レッスンP406、九訂基本テキスト上巻P88)。  定員30人以上になると介護老人福祉施設となり、指定するのは都道府県知事になります(2022ユーキャン速習レッスンP408、九訂基本テキスト上巻P88)。 &nbsp; <h2>計画で定めるサービスの種類について</h2> <br> <h3>全ての保険給付の対象サービスの量の見込みを定める</h3>  介護保険法の条文で、市町村介護保険事業計画において「区域ごとの当該区域における各年度の認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護及び地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る必要利用定員総数その他の介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込み」を定めることと規定されています。  ここに「その他の介護給付等対象サービス」とあります。つまり、ここに明記されているサービスだけではなく、それ以外の保険給付の対象サービスの量の見込みも定めるということです。  実際に、たとえば新宿区介護保険事業計画(第4章)において、全ての保険給付の対象サービスの量の見込みが定められています。 <a href="http://www.city.shinjuku.lg.jp/fukushi/index05_05_04.html">http://www.city.shinjuku.lg.jp/fukushi/index05_05_04.html</a>  都道府県介護保険事業支援計画においても同様で、たとえば東京都介護保険事業支援計画において、全ての保険給付の対象サービスの量の見込みが定められています。 <a href="http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/shisaku/koureisyakeikaku/07keikaku3032/index.html">http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/shisaku/koureisyakeikaku/07keikaku3032/index.html</a> &nbsp; <h3>条文に明記されているのは、いずれもそこに利用者が居住するサービス</h3>  介護保険法の条文において、市町村介護保険事業計画で定めるべき事項のところに、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護が明記されているのは、この3つはいずれも<span class="bold">そこに利用者が居住するサービス</span>であり、そのための居室が必要になるので、整備をより計画的に行うよう特に明記して強調しているということのようです。  都道府県介護保険事業支援計画においても同様です。 &nbsp; <h2>試験対策としては、条文のままを覚える</h2>  試験においては、介護保険法の条文に厳格に従った出題がされます(<a href="https://caremane.site/3232">第22回再試験 問題10</a>など)。ですので、試験対策としては「定めるべき事項」にあげられているサービスをそのまま覚える必要があります。 <div class="sanshyo"><span class="sankaku">▼</span>「定めるべき事項」にあげられているサービスの詳細は、以下の「ポイント解説」を参照</div> <a href="https://caremane.site/2512#point">https://caremane.site/2512#point</a> <a href="https://caremane.site/2514#point">https://caremane.site/2514#point</a>

総合事業の介護予防ケアマネジメントと、包括的支援事業の介護予防ケアマネジメントは、どう違うのですか?

 対象者によって違ってきます。介護予防支援も含めて整理すると、次のようになります。 &nbsp; 介護予防支援 → 要支援者で総合事業と予防給付のサービスを利用する場合  要支援者で、総合事業だけでなく、介護予防訪問看護など予防給付のサービスも利用する場合は、介護予防支援を受けます。 &nbsp; 総合事業の介護予防ケアマネジメント → 要支援者で総合事業のみ利用する場合  要支援者で、予防給付のサービスを利用しないで、総合事業のみを利用する場合は、総合事業の介護予防ケアマネジメントを受けます。 &nbsp; 包括的支援事業の介護予防ケアマネジメント → 事業対象者  事業対象者は、包括的支援事業の介護予防ケアマネジメントを受けます。

介護予防・生活支援サービス事業(第1号事業)の「第1号」は、どんな意味ですか?

介護保険法第115条の45第1項“第1号”で規定されていることから来ている  第1号事業の「第1号」は、第1号被保険者のことを示しているわけではありません。これは、介護保険法第115条の45第1項“第1号”で規定されていることから来ています。  このように名称をつけることによって、法令において、たとえば「第1号事業を行う者は…」「第1号事業を利用した場合は…」というように、示しやすくなっています。  このことは、訪問型サービス(第1号訪問事業)、通所型サービス(第1号通所事業)、生活支援サービス(第1号生活支援事業)、介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)についても同様です。  ちなみに、「第2号事業」というものはありません。

地域支援事業の役割、内容や対象者を簡単にまとめると、どのようになりますか?

 地域支援事業を簡単に言うと、被保険者が要介護・要支援状態になることを予防し、要介護・要支援状態となった場合でもできるかぎり地域で自立した生活を送れるように支援する事業です。  介護保険においては、要介護・要支援認定を受けた人に対して、訪問介護や訪問看護などのサービスが保険給付されます。  ただし、サービスを保険給付するだけでは不十分です。それとあわせて、地域の高齢者の心身機能が低下することを予防したり、地域の高齢者の状況を把握したり、地域のサービスが効率的に提供されるようネットワークを構築したり、サービスを提供する側である介護支援専門員をサポートしたりなど、地域社会を全体的に支援することも大切です。これを行うのが、地域支援事業になります。 <div class="information"> 介護保険制度が始まった当初は、保険給付はありましたが、地域支援事業はありませんでした。  その後、介護保険制度が運営されていくうちに、「介護が必要になる状態を予防し、地域で生活できるよう支援することが大切」という考え方が広まって、地域支援事業が創設されました。 </div> &nbsp; <h3>地域支援事業の内容と対象者のまとめ</h3>  地域支援事業には、介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)、包括的支援事業、任意事業の3つがあり、それぞれの内容と対象者をまとめると、次のようになります。 &nbsp; <h4>総合事業</h4> <span class="shikaku">■</span><span class="bold">介護予防・生活支援サービス事業</span>  心身機能の低下が一定以上の人に対して、介護サービスを提供する事業です。 <div> 対象となるのは、次の者です。</div> <div class="indentmaruno2"><span class="bold">①</span> 要支援者</div> <div class="indentmaruno2"><span class="bold">②</span> 基本チェックリストにより事業の対象者に該当した第1号被保険者(介護予防・生活支援サービス事業対象者)</div> <div class="indent">※基本チェックリストは、認定を受けていない第1号被保険者に対して実施されます。</div>  具体的な内容は、対象者に<span class="bold">訪問型サービス</span>や<span class="bold">通所型サービス</span>といった介護サービス、それと一緒に行う<span class="bold">生活支援サービス</span>(栄養改善のための配食、ボランティアによる見守りなど)を提供します。これらを計画的に実施するために、<span class="bold">介護予防ケアマネジメント</span>も実施します。 <span class="shikaku">■</span><span class="bold">一般介護予防事業</span>  地域における第1号被保険者の介護予防のために、地域を活性化するという事業です。  対象となるのは、<span class="bold">すべての第1号被保険者</span>(要介護・要支援認定を受けている第1号被保険者、認定を受けていない第1号被保険者、介護予防・生活支援サービス事業対象者である第1号被保険者も含む)です。  具体的な内容は、地域の状況の把握、介護予防についての普及・啓発、地域住民の育成・支援などです。 &nbsp; <h4>包括的支援事業</h4>  地域におけるさまざまな課題に対応するために、地域を活性化するという事業です(総合事業よりも、もっと広い範囲をカバーしていると言えます)。  対象となるのは、<span class="bold">第1号被保険者と第2号被保険者</span>です(要介護・要支援認定を受けている第1号・第2号被保険者、認定を受けていない第1号・第2号被保険者、介護予防・生活支援サービス事業対象者である第1号被保険者も含む)。  具体的な内容は、総合的な相談を受けたり、権利擁護を進めたり、地域の専門家によるネットワークをつくる、といったことです。 &nbsp; <h4>任意事業</h4>  総合事業と包括的支援事業に加えて、プラスアルファの内容として行うかどうか、という事業です。  対象者や内容はさまざまで、実施するかどうかは各市町村が判断します。

基準該当サービス事業者と離島等における相当サービス事業者には、どんな意義があるのですか?

基準該当サービス事業者とは、少し緩い基準に該当した事業者  介護保険のサービスを提供するには、基本的に「指定基準」を満たして「指定」を受ける必要があります。この指定を受けた事業者を「指定事業者」といいます。  この「指定基準」より、もう少し緩い基準があります。これに該当したと市町村が認めた事業者を「基準該当サービス事業者」といい、そのサービスを「基準該当サービス」といいます。これは保険給付の対象になります。 &nbsp; <h4>指定事業者が少なくても、基準該当サービス事業者でニーズに対応できるようにする</h4>  この意義は、たとえば、A市では指定訪問介護事業者が少なく、利用者のニーズに十分に応えられないので、指定基準を満たしていなくても、指定事業者と同じ水準のサービスを提供できる事業者については、市町村の判断で基準該当訪問介護事業者と認めて保険給付の対象として、利用者のニーズに応えられるようにする、ということです。 &nbsp; <h3>離島等における相当サービス事業者の意義</h3> <br> <h4>「相当サービス」とは、通常のサービスと同じようなサービス</h4>  この「相当サービス」というのは、簡単に言うと「介護保険の通常のサービスと同じようなサービス(通常のサービスに相当するサービス)」となります。  離島などでは、人員や設備を確保するのが難しい場合があります。そのために指定基準を満たすことができない場合は、指定を受けることができず、通常のサービスは提供できません。また、基準該当サービス事業者としての基準を満たしていない場合は、基準該当サービス事業者にもなれず、基準該当サービスも提供できません。このような事業者であっても、通常の介護保険のサービスと同じようなサービスを提供できると市町村が認めれば「離島等における相当サービス事業者」となり、その「離島等における相当サービス」が保険給付の対象になります。 &nbsp; <h4>離島などで、指定を受けられず、基準該当にもならない事業者でも、ニーズに対応できるようにする</h4>  こちらの意義も、前述の基準該当サービスと同じです。たとえば、ある離島では、指定事業者や基準該当サービス事業者がなく、利用者のニーズに応えられないので、指定基準や基準該当サービスの基準を満たしていなくても、通常の訪問介護と同じようなサービスを提供できる事業者については、市町村の判断で保険給付の対象として、利用者のニーズに応えられるようにする、ということです。 &nbsp; <h3>特例居宅介護サービス費として償還払いになる</h3>  これらの例の場合、特例居宅介護サービス費として、償還払いで給付されます(2019ユーキャン速習レッスンP70、九訂基本テキスト上巻P91)。

共生型サービスの仕組みやメリットはどういうものですか? また、なぜ減算されるのですか?

 共生型サービスとは、<span class="bold">介護保険のサービスと障害福祉サービスで、内容が共通しているサービス</span>になります。具体的には、次のサービスです。 <table> <caption>共生型サービス</caption> <tr bgcolor="#fffaf0" align ="center"> <td colspan="2"><span class="bold">介護保険のサービス</span></td> <td></td> <td><span class="bold">障害福祉サービス等</span></td> </tr> <tr> <td colspan="2"><div class="indentmaru"><span class="maru">●</span>訪問介護</div></td> <td align ="center">⇔</td> <td><div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>居宅介護</div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>重度訪問介護</div></td> </tr> <tr> <td colspan="2"><div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>通所介護</div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>地域密着型通所介護</div></td> <td align ="center">⇔</td> <td><div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>生活介護<span style="font-size:small;">(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)</span></div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>自立支援(機能訓練・生活訓練)</div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>児童発達支援<span style="font-size:small;">(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)</span></div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>放課後等デイサービス<span style="font-size:small;">(同上)</span></div></td> </tr> <tr> <td colspan="2"><div class="indentmaru"><span class="maru">●</span>療養通所介護</div></td> <td align ="center">⇔</td> <td><div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>生活介護<span style="font-size:small;">(主として重症心身障害者を通わせる事業所に限る)</span></div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>児童発達支援<span style="font-size:small;">(主として重症心身障害者を通わせる事業所に限る)</span></div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>放課後等デイサービス<span style="font-size:small;">(同上)</span></div></td> </tr> <tr> <td rowspan="3"><div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>小規模多機能型居宅介護</div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>介護予防小規模多機能型居宅介護</div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>看護小規模多機能型居宅介護</div></td> <td>通い</td> <td align ="center">→</td> <td><div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>生活介護<span style="font-size:small;">(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)</span></div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>自立支援(機能訓練・生活訓練)</div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>児童発達支援<span style="font-size:small;">(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)</span></div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>放課後等デイサービス<span style="font-size:small;">(同上)</span></div></td> </tr> <tr> <td>泊まり</td> <td align ="center">→</td> <td><div class="indentmaru"><span class="maru">●</span>短期入所</div></td> </tr> <tr> <td>訪問</td> <td align ="center">→</td> <td><div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>居宅介護</div> <div class="indentmaru2"><span class="maru">●</span>重度訪問介護</div></td> </tr> </table> <span style="font-size:small;"><a href="https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000170288.pdf" target="_blank">資料:共生型サービス(厚生労働省)をもとに作成</a></span>  この「内容が共通しているサービス」について、「給付が介護保険に切り替わっても、引き続き同じ事業所のサービスを利用できる(事業所を変更する必要がない)」というのが、共生型サービスのメリットです。  以前は、介護保険法による事業所の指定と、障害者総合支援法・児童福祉法による事業所の指定は、完全に別でした。そのため、介護保法による指定のみを受けた事業所、障害者総合支援法による指定のみを受けた事業所、というのが多くありました。  こうした状況により、障害者が65歳になって給付が介護保険に切り替わるのと同時に、介護保険法による指定を受けたサービス事業所に変更する必要のあるケースがありました。これは、障害者にとっては「なじみのある事業所を変えなくてはならない」というデメリットでした。  これについて、以下に簡単な例をあげてみます。 <span class="bold">例)</span>障害者のアさんは長年、障害者総合支援法による指定を受けたA事業所による居宅介護(障害者の居宅を訪問して行う、入浴、排泄、食事などの介護)を利用していました。  その後、アさんは65歳となり、介護保険の第1号被保険者になりました。このタイミングで、介護保険からの給付に切り替わります。そのため、A事業所による居宅介護は終了して、サービス内容が同じ介護保険の訪問介護の利用を開始することになりました。そして、介護保険法による訪問介護の指定を受けたB事業所による訪問介護を利用し始めました。  これに関して、アさんは「サービス内容は同じなのに、長年利用してきたA事業所の利用をやめて、B事業所に変更しなくてはならないのは不便だ」という不満を抱きました。  こうしたデメリットを解消するために創設されたのが、共生型サービスです。  共生型サービスにより、上記の例の「A事業所」は、介護保険の訪問介護の指定を比較的容易に受けることができるようになりました。「A事業所」が介護保険の訪問介護の指定も受けると、アさんは65歳(介護保険の第1号被保険者)になってからも、引き続き「A事業所」を利用することができます。 <div class="information"><span class="bold">第2号被保険者である障害者は、それだけでは介護保険の認定と給付は受けられない</span>  障害者が40歳以上65歳未満の場合、介護保険の第2号被保険者になります。ただし、これだけでは介護保険の認定と給付は受けられません。第2号被保険者が認定を受けて給付を受けるためには、介護が必要になった原因が特定疾病の場合に限られるためです(2019ユーキャン速習レッスンP52、九訂基本テキスト上巻P71)。  この人が、65歳になって第1号被保険者になると、介護保険の認定と給付を受けられます。第1号被保険者の場合は、介護が必要になった原因は問われずに、心身状態からして必要であれば、認定と給付を受けられるからです。 </div> &nbsp; <h3>共生型サービスの分類</h3>  共生型サービスのうち、介護保険の居宅サービスに該当するものを「共生型居宅サービス」といいます。具体的には、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護になります。  同様に、介護保険の地域密着型サービスに該当するものを「共生型地域密着型サービス」といいます。具体的には、地域密着型通所介護(療養通所介護を含む)、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護になります。  地域密着型介護予防サービスに該当するものは「共生型地域密着型介護予防サービス」で、具体的には介護予防小規模多機能型居宅介護になります。 &nbsp; <h3>共生型サービスの基準を定める者</h3>  上記のように、共生型サービスのうち、介護保険の居宅サービスに該当するものを「共生型居宅サービス」といいます。これについての基準は、居宅サービスと同じく、都道府県の条例で定めます。  同様に、共生型地域密着型(介護予防)サービスについての基準は、域密着型(介護予防)サービスと同じく、市町村の条例で定めます。 <div class="sanshyo"><span class="sankaku">▼</span>関連Q&A</div> <a href="https://caremane.site/2217">https://caremane.site/2217</a>

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